俺の方が、好きだけど。



ほんとに嫌いなら、いくらなんでも相手に合わせようとまではしないはず。


遊園地に行ったり、一緒にお昼休みを過ごしたりしないよね。



「まぁ、一緒にいる時は楽しかったからね〜。あたしに気を遣ってんのか、変なこともしてこなかったし、優しくしてくれたから」



そう言って、大石さんはパクッとごはんを食べた。


色々聞くわたしに対して、嫌な顔をするそぶりもない。


普通、嫌いな人と一緒にいて楽しいって思うかな?


大石さんが嫌いなのは高野くんじゃなくて、他の誰か……?


「だけどさぁ、優しくしてくれるのなんて最初だけ。みんないつか変わっちゃう。人の気持ちなんてそんなもんだし、海斗もすぐに次を見つけるんじゃない? だったら、別にあたしじゃなくてもいいじゃん」



「高野くんは大石さんのお父さんとは違うよ」



わたしの言葉に、大石さんの眉がピクッと動いた。