「良かったら一緒に食べない? この季節、中庭が結構穴場なんだよね」
「なんであたしなの?」
ニコッと微笑むわたしに、大石さんはズバッとキツく言い返して来る。
「わたしもひとりだし、寂しいからさ」
大石さんは、わたしの言葉に目を大きく見開いた。
そして、バカにしたようにフッと笑う。
「鈴峰さんって、ほんとよくわかんない。っていうか、相当変わってるよね。普通、あたしの本性知ったら引くでしょ?」
呆れたように言って席を立った大石さんは、カバンからお弁当が入った袋を取り出す。
「ムカついたけど、引いたりはしないよ」
「バッカじゃないの」
「そうかもね」
自分でもそう思うよ。
「まぁ、そのバカに付き合うのも悪くないかもね」
バカバカって、そんなに連呼しなくても。
見た目からは、ズバズバ言うタイプだってことが想像出来ないからギャップがありすぎる。
だけど、今の大石さんの方が素で話してくれている気はした。



