「原因は大石さんの浮気らしいよ〜! その現場を高野くんが目撃したんだって!!」
「えー! なにそれ。高野くん、かわいそう」
「大石さんって、色白の可愛い子でしょ?」
「高野くんと付き合って浮気するなんて最低っ!」
わたしは足を止めたまま動けずに、ヒートアップする陰口を聞いていた。
いつかは来るだろうと思っていた時が来た。
それも、高野くんに目撃されるっていう一番なって欲しくなかったパターン。
宣言通り、大石さんは高野くんを振ったんだ?
……高野くん。
今頃、傷付いてるかな?
大丈夫……?
わたしは棒みたいになった足を必死に動かして、体育館裏まで走った。