「なーに落ち込んでんのよ! 大丈夫だって! 花梨、清野に愛されてるんだしさ」
背中をパシンと叩かれる。
「そ、そんなわけないよ。わたし……キヨ君に友達でいるつもりはないって、はっきり言われちゃったし」
思い出すと胸が痛んだ。
わたしはキヨ君の友達にすらなれないんだ。
だったら……わたしは一体なに?
怖くてキヨ君に確かめることが出来ない。
友達以下だって言われたら、もう立ち直れないもん。
「へえ。清野がそんなことを言ったんだ? やるじゃん」
杏子が意味深にニコッと笑う。
やるじゃんって言われても、わけがわからないよ。
それでも、杏子はニヤニヤ笑うだけで教えてくれなかった。



