「海斗のことばっか考えないでよ」
「え……?」
恐る恐るキヨ君の顔を見上げる。
そこには、まっすぐにわたしを見つめるキヨ君の顔があった。
目の前に大きく映し出される男らしく整ったその顔に、ドキドキが加速する。
キヨ君って……こんなに男の子らしかったっけ?
体の線だって、もっと細いと思ってたのに。
腹筋や腕にわりと筋肉がついてるし、当たり前だけど手だってわたしよりはるかに大きい。
そのあとは無言のまま、キヨ君に引っ張られるようにしてうつむきながら歩いた。
ドキンドキンと高鳴る鼓動を聞きながら。
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