ドキドキと高鳴る鼓動が、締め付けられてやけに苦しい。
わたしの体を包む腕も胸板も、全部が全部可愛くて男らしいキヨ君のもの。
やけに力強くて、キヨ君の中に改めて男を感じてドキドキが止まらない。
ど、どうしよう……。
なんでこんなにドキドキするんだろう。
友達だって思ってたはずなのに。
「俺、花梨ちゃんのことが好きだし。こんなことされたら期待するんだけど」
えっ……?
す、好き……?
あ。
友達としてってことだよね?
それしか考えられないよ。
「わ、わたしも……キヨ君のことが好きだよ」
だってキヨ君は、わたしの大切な友達だから。
ずっとずっと、キヨ君とは仲良しでいたいと思ってる。
「はぁ……。花梨ちゃんって、マジでバカだな」
「え……?バ、バカ?」
「うん。バカ。マジでバカ過ぎる」
ううっ。
何もそこまで言い切らなくても。
わたしだって、傷付くんだよ?



