手を握ったのは認めるけど。



「いやいや。思いっきりしてるから」



「…………」



なんだか恥ずかしくなって手を離そうとしたけど、キヨ君は離してくれなかった。



「俺にするぐらいだから、誰にでもしてるんだろ?」



「えっ? し、してないよ。キヨ君は友達だから」



心を許してるから、ついつい杏子と同じ感覚で接しちゃうんだ。


無意識とはいえ、ためらうことなく触れることが出来たのには自分でもビックリだけど。



「ふーん。友達……ね。けどさぁ」



今度は手首を掴まれて、思いっきり引き寄せられた。


あっという間にキヨ君の腕と胸にスッポリ包まれる。



「キヨ……君?」



鼓動が激しく騒ぎ立て、心臓がはちきれそう。



「俺だって、男だよ?」



耳元で囁く声が聞こえた。