うつむかせた先にはキヨ君の手があった。


わたしは無意識にそれをギュッと握る。


その瞬間、ビクッと大きくキヨ君の体が揺れた。



「ご、ごめんね……わたしが悪かったから、怒らないで」



恐る恐るキヨ君の顔を見上げる。


すると、キヨ君がギュッと手を握り返してくれた。


みるみる内に赤くなるキヨ君の顔。



「はぁ。マジで勘弁してよ……」



「えっ……?」



どういう意味?



「花梨ちゃん、それ無意識だろ?」



「そ、それって……?」



わけがわからなくて思いっきり首を傾げる。



「そうやって手を握って、涙目で人の顔を見上げるの」



「えっ……? そんなことしてないよ」