ドキドキ緊張しながら駅ビルの一階まで来ると、繁華街に抜ける出口から外に出た。



「ちょっと。いきなり何なのよ」



キッとわたしを睨み付ける大石さん。



「さっき……帰りたいって言ってたじゃん。わたしも帰りたかったから」



「だったら、ひとりで帰れば良かったでしょ? せっかく、これから買い物に行こうって話になってたのに」



嫌味っぽくわたしに言い、大石さんはプイと顔をそらした。



「でも、ひとりじゃ恐かったんでしょ? だからわたしを誘ったんだよね……?」



「は、はぁ……? 恐いわけないでしょ」



わたしは大石さんの肩がビクッと揺れたのを見逃さなかった。