「ご、ごめんなさいっ……! 読んでないから、まだ呪いにはかかってないはずです!」



何を言ってるのか自分でもわからないくらい混乱していた。


もうやだ。


早く逃げ出したい。


絶対変な奴だって思われてる。



「ぷっ、呪いの手紙って」



「今時、そんなことする奴が本当にいたんだ?」



口々にみんなが口を開く。


色とりどりの派手な頭髪。


耳にはピアスがジャラジャラついて、制服もかなり着崩している人ばっかり。


ひとりひとりみんなそれぞれカッコ良くて、モテそう。


その中には唯一わたしの味方をしてくれたキヨくんもいた。


「本当にごめんなさいっ!もう……忘れて下さい」



出来るだけ平然を装って、無理に笑顔を浮かべる。


堪えた涙が溢れそうになって、唇がかすかに震えた。


こんなウソをついている自分が、情けなくて悔しくて惨めでたまらなかった。



そしてわたしは、突き刺さるような視線から逃げるように校門に向かって駆け出した。