「キ、キヨ君……」



キヨ君は二ヒヒッと笑いながら、手に持ったアイスをわたしにチラッと見せる。


ヒヤッとした物の正体は、アイスだったってわけか。



「ドッキリ大成功〜!」



「もー! 子どもみたいなことしないでよ」



プクッと頬を膨らませる。



「ごめんごめん」



そんな風に言いながらも、キヨ君は反省なんてまったくしていない。


可愛い笑顔がなんだか憎たらしい。



「清野って、思ったよりガキだよね。もっと大人びてんのかと思ってた」



机に頬杖をついたままの格好で、杏子がクスッと笑う。



「は? 俺、すっげえ大人じゃん」



「ありえない。ちょっかい出し過ぎて嫌われないようにね〜」



意味ありげにニコッと笑った杏子に、キヨ君は何とも言えないような表情を浮かべる。