そこにいた四人は、目をパチクリさせてわたしを食い入るように見つめる。
ううっ、視線が痛い。
「きゅ、急に出て来てごめんなさいっ! 実はその手紙……呪いの手紙で! 今女子の間で流行ってて……!」
わたし……なにを言ってるの。
自分でもわけがわからない。
「二組の仲良しの子の靴箱に入れるつもりだったのに、まちがえちゃっただけだからっ! だ、だからそのっ、それは……ラ、ラブレターとかじゃないのでっ! 安心して下さいっ!」
よくこんなウソがペラペラ口をついて出て来るもんだ。
普段は引っ込み思案なくせに、そんな勇気があるならどうしてもっと話しかけたりしなかったんだろう。
どうして知ってもらおうとしなかったんだろう。
チャンスはきっと、たくさんあったはずなのに。
今さら後悔しても遅いのに、そんなことを思わずにはいられない。
だけど今はもう、なかったことにしたくて必死。
「か、返して下さいっ!」
高野くんの前まで行くと、手にしていた手紙を強引に奪い取った。
「鈴峰……確かに同じクラスだったような気が……それにしても。の、呪いの手紙……?」
ポツリと高野くんがつぶやく。
無造作にセットされた茶髪と整った目鼻立ち。
背が高くて、見上げなきゃ顔が見えない。
悔しいけど、すごくカッコ良くてドキドキする。