どうやらプリントが配られていたようだったけど、全然気が付かなかった。



慌てて受け取ろうとすると、キヨ君の手が指先に触れた。



その瞬間目が合って。


ーードキッ



憂いを帯びた悲しげなその瞳を見て、変に胸が鳴る。



「さっきはごめん。花梨ちゃんに言われて、ちょっと冷た過ぎたかもって後悔したんだ」



どうすればいいのかわからなくて視線を外そうとすると、キヨ君が小さく口を開いた。


切なげに瞳を揺らして、どこか思い詰めたような表情をしている。



ーーズキン



「ううん……わたしこそごめんね」



キヨ君があまりにも無関心だから、どうしても納得出来なくてついあんな言い方をしてしまったんだ。


高野くんのことを心配してあげないから、冷たいなんて思っちゃった。


キヨ君なりに考えていることがあるかもしれないのにね。