高野くんが本気で大石さんを好きだって知ってるからこそ、すごく気になる。
だからって、わたしが首を突っ込んでいい問題じゃないってことはわかるけど……。
わかるけど……。
両想いになれて喜んでいた時の高野くんの顔が脳裏に浮かぶ。
あんなに嬉しそうだったのに。
真実を知って傷付いた時の顔を想像すると、胸が締め付けられて苦しかった。
「花梨ちゃん、大石さんに説教でもする気かよ?」
キヨ君が眉をひそめながらわたしの顔を覗き込む。
「し、しないよ……出来るわけ、ないじゃん」
「じゃあ、海斗にさっきのことを言う?」
「……っ」
それこそ、出来るわけがない。
傷付けるってわかってるからこそ、余計に。