「ウーロン茶でいい?」
「あ……うん」
「りょーかい」
慣れた手付きで注文を済ませたキヨ君は、わたしの向かい側に腰を下ろした。
暑いのかブレザーを脱いでネクタイを緩めながら、シャツをパタパタさせている。
シャツはズボンから全部出ていて、キヨ君が仰ぐたびに腹筋がちらちら見えた。
女の子みたいなのに、腹筋はしっかり割れていて。
なぜだかドキッと胸が鳴る。
思えば、男友達と二人でカラオケって初めてだ。
「もうすぐ夏だなー。すげえ暑い」
「だ……だね」
なんだかわたしまで暑くなって来て、ブレザーを脱いでカッターシャツの袖をまくった。