バクバクする胸を押さえながら、わたしは体育館裏に向かった。



体育館裏はめったに人が通らないから、告白するには持って来いの場所。



「あれ? 鈴峰? キヨ知らねー?」



そわそわしていると、何も知らない高野くんが姿を現した。


相変わらずカッコ良くて、顔を見ただけで鼓動がありえないくらい跳ね上がる。



「あいつ、人のこと呼び出しといていねーし」



ムッとしているのか、高野くんは唇を尖らせる。



「ち、違うの……! わ、わたしの代わりに……呼び出してくれたんだよ」



声が震える。


高野くんの顔を見ることが出来ない。



「なんで鈴峰が俺を?」



「そ……れは。ちょっと、話があって」



「話?」



どうしよう。


今までにないくらい心臓がドキドキしてる。