~サツキSIDE~

掃除をしているときは笑っていなくていいから、楽だった。

サツキ「ふ~終わった~」

なんとなく言ってみる。


涼太「サツキおいで?」


涼太がソファーに座って私を呼んだ。

何だろう?


サツキ「な~に~?」

涼太「病み上がりなのに…疲れただろ?」

サツキ「大丈夫だよ?」

涼太「顔色悪くなってるし…おいで?」


涼太が私を引き寄せて、膝にのせた。

えっ?えええええ…


サツキ「ちょっと…」

涼太「静かに。」


涼太は後ろから抱きしめて、背中に耳を当てて呼吸音を聴いていた。


涼太「サツキ苦しいでしょ?」

サツキ「…ちょっと…」

涼太「吸入してちょっと寝よっか?」

サツキ「吸入…」


嫌だよ… 苦しいもん…

でもなんで持ってるんだろう?


涼太「ほら未菜も由紀も喘息持ちだろ?だから俺も持つようにしてるんだ。」

サツキ「そうなんだ…」

涼太「したことない?」

サツキ「ある…けど… やりたくない…」

涼太「どうして?」

サツキ「苦しいから…」

涼太「そっか… でも発作起きたらもっと苦しいじゃん?」

サツキ「…いや…」

涼太「ん~ 頑張ろ?」

サツキ「嫌…」

涼太「はあ~…」


涼太がすごく困った顔をしていた…

ダメだ… 嫌われちゃう…


サツキ「…やる…」

涼太「ん。偉い。じゃあ深呼吸して?吐いて。はい吸って!」


サツキ「スーゲホゲホゲホゲホゲホゲホゲホゲホ…」

苦しい… 苦しいよ…


涼太「サツキ?落ち着いて?深呼吸。」


背中を擦ってくれるけど、苦しい…

あれ?


サツキ「ゲホゲホゲホゲホハアハアハアハアハア…」

涼太「え…過呼吸?!」

サツキ「ハアハアハアハアハアハアハアハア…」

涼太「サツキ苦しいね… 息吐いて~ 大丈夫だよ?」


一緒に深呼吸してくれた。

10分ぐらいで落ち着いた。


涼太「サツキ?まだ苦しい?」

サツキ「ううん。もう大丈夫。」

涼太「寝よっか?ベッド行こ?」


涼太は私をヒョイッと持ち上げて、ベッドに連れていってくれた。

涼太も嫌なんだろうな… こんな迷惑しかかけない私なんて…


サツキ「ごめんね…ごめんね涼太…」


涼太は布団をかけてくれた。

それでしゃがんで私の顔を見た。


涼太「何で謝るの?大丈夫だよ?」

サツキ「だって…」

涼太「吸入よく頑張ったな!」(ナデナデ)

サツキ「涼太も嫌だよね…」

涼太「ん?」

サツキ「何でもない。ちょっと寝るね?」

涼太「ああ。」
.