~サツキSIDE~

あっという間にその日がやって来た。


コンコンコンコン
サツキ「○○大学病院から来ました、武藤サツキと申します。」

院長「よく来たね!入って入って!」

サツキ「失礼します。」

院長「院長の鈴木です。今日からよろしくお願いします。」

サツキ「こちらこそ。」

院長「聞いてると思うけど、もうすぐうちはドクターヘリを導入する。もう機体も来ている。君には経験者としてしっかりやっていってもらいたい。」

サツキ「はい。」

院長「君は19歳だったっけ?君のような優秀なドクターを迎えることができて嬉しいよ。まあ頑張って!!」

サツキ「はい。失礼します。」



バイト以来だったから久しぶりだな・・・



看護師A「誰?超美人じゃん!」
看護師B「知らないの?今日から配属になったドクターよ。」

こそこそ言ってるつもりかもしれないけど、聞こえてますよ!

「超かわいくね?」「彼氏いるのかな?」 「いるだろ?」 「俺奪っちゃおうかな?」

ふざけんな! ここは病院だぞ!命の危険があるんだ! はあ~くだらん・・・


朝のミーティングで紹介された。

医局長「ええと…今日から配属になった武藤先生です。じゃあ自己紹介を…」

涼太「えっ?サツキちゃん?!」


サツキ「今日から配属になった武藤です。よろしくお願いいたします。」

看護師「どうしてここに来たんですかあ?」

サツキ「以前は○○大学病院でフライトドクターをしていました。ここもドクターヘリ導入が決まっているということで移って来ました。」

医局長「ということで今夜歓迎会やるから。」

サツキ「えっ?」



その時…
ピロロロロロロ ピロロロロロロ
医者A「はい。こちら救命センター。」

救急隊「車の玉突き事故です。3人の受け入れお願いします。」

医者A「分かりました。」

医局長「自己紹介中だけど早速救急入っちゃったから・・・」

サツキ「いえ。」


10分後…
ピーポーピーポー♪ ガチャ
救急隊「諸星 悟さん 45歳。頭部損傷。バイタル安定してます。」

医者「諸星さん!諸星さん!生年月日教えてください。」

諸星さん「6月23日…」


ピーポーピーポー♪ ガチャ
救急隊「清水 光さん。 28歳。意識レベル100です。」

サツキ「清水さん!清水さん!病院着きましたよ。痛いところありますか?」

清水さん「腰…」

サツキ「エコーください!Aライン取って!」

看護師「はい!」

サツキ「ちょっと失礼します。」(聴診器を当て呼吸音を聴く)

看護師「エコーです。」

サツキ「腹腔内出血あり。緊急オペします。オペ室確保してください。」

「清水さん?今から腹腔内出血の為緊急手術します。よろしいですか?」

清水さん「はい、お願いします。」

看護師「オペ室確保できました!」

サツキ「運びましょう。」

医者B「ちょっとちょっと!大丈夫?誰かに代わってもらった方がいいんじゃ?」

サツキ「なぜですか?時間がありません。運びましょう。」

看護師「はい…。」


10分後…
サツキ「これより腹腔内出血の為、緊急手術を行います。お願いします。」

看護師たち「お願いします。」

サツキ「メス」

看護師「はい!」


サツキ「よし見つけた。吸引。ガーゼ。」

看護師「?!?!?! はい!!」 (迷いが全くない・・・鮮やかすぎる!)

涼太「落ち着いたので入ります。」(は?もう止血始めてる!速すぎる!)

サツキ「縫合」

看護師「は…はい!!」

涼太「クーパー」

看護師「はい!」

サツキ「あと閉腹ですね。縫合。」 プチンッ

看護師「は…はい!!」

涼太 (手が踊ってるみたいだ!速すぎる!なのに正確!!こんなの初めてみた!!!)

サツキ「クーパー」

看護師「はい!!」 パチンッ


サツキ「ICUに運んでください。」

看護師「分かりました…」