私は、目を丸くした。


「今、あんた変人って言ったよな。別に見たくて見たわけじゃーねぇよ。でも、あんた本当大丈夫か?」



変人美容師は、ハサミを整理し始め、私にこう言った。


「……あんま俺が言うことじゃないかもしれないけど、仕事で何かあった?頭凝ってたし…」


私は、変人美容師を見た。



変人美容師は、必需品の美容師の物を丁寧に定位置の場所に置いていた。



「……仕事で同期と生徒に副担任について馬鹿にされたんです。同期でも、担任になっている人もいて、何か私これからどう頑張っていけばいいか分からなくて」


私は、下を向いたが、今私は靴下を履いていないことに気づいた。



変人美容師は、私を見た。



「別にいんじゃーねぇ。気にしなくて。
副担任には、副担任の役割があるし、担任には、担任の役割があるから。あんたは、副担任の役割が性に合うってことじゃない」




変人美容師は、俺、言いこといったでしょという顔をして、私の意見を待っていた。


「…あのその顔をやめてもらえますか。
返答に困ります」