私は、ハアハアと息を切らして淡い青春時代の情景が蘇えっていた。 「波、こっち」 「遅いよー。今、9時55分。ギリギリ」 私は息を切らして波の所へとたどり着いた。 「ゴメン!」 「もっと余裕持って行動してよね。まあいつも言うけど直らないもんね」 望は、苦笑いして私を見た。 もうー!と望は言い、 「入るよ、ベニ。いいね?」 望は、私を見て言った。 「うん」 望は、私が返事したのを聞いて、扉を開けた。 「いらっしゃいませ」 店の中から明るい声がした。 望、倉田さんと呼んでいた。