望は、やったーと言い、
「んじゃ、また近い内に来ますね」
高木旭と茶髪の店員は律儀にお辞儀をした。
「またのご来店お待ちしています」
私は、外に出たらはあーとため息をついた。
外はもう真っ暗だった。
「波、どうしたの?ため息ついて」
私は望を見てはあーとまたため息をついた。
「何!どうした?そんなにあの高木旭が嫌だったの?」
「嫌に決まってんじゃん。だって、あの人に変人って言って。顔色ひとつ変えないし」
「でも、何か言われてなかった?
しかも耳元で。
倉田さん、旭、何言ってんだろうとか不思議に思ってたよ」
私はまた望を見た。
「見てたの?」
「だって、隣だから見えるから」
「‥‥そうね」
「んで、何を言ってたの?高木旭は」
私は顔を赤らせめて望に言った。
だが、暗くて表情がはっきり分からない。
見えなくてちょうど良かったと思った。
「後で渡してたいものがありますって」
「え?何その展開」
望の表情は分からないが、驚いた様子だ。
「で、渡したいものってもらったの?」
「いや、貰ってない」


