「翔太くんさ、旭といつも居てくれてありがとね」
ベニは小さいカバンを両手で持ち、歩いている足跡を見て歩いていた。
「え? 急にどうしたの? 」
俺はベニを見た。
その横顔は未来を予感しているような自分の道がもう終わりに近づいているような表情をしていた。
長い髪が風に揺られて、おろした髪を耳にかけていた。
「……翔太くんだから言うだよ。これからもよろしくね、あの分からず屋な、旭を」
そう言って、ベニは今日、何買おうか?と話を変えた。
その意味は、ベニ自身も意味はなかったのだろう。だけど、今となれば分かる。
なにがあっても旭と一緒に仕事してねと言ってるのだと今は思う。


