【完】あんな美容師に騙されない!


「旭くん? なんでここに」

ベニは俺の手を離して、旭の方に行ってしまった。

俺は帰ろうとドアに行こうとした時、旭に肩を掴まれた。

「翔太、お前ベニに言ったのか?」

旭は、俺を真意を探るように見てきた。

俺は目をそらして、旭を見ないようにした。

旭を見ると、負けたと実感してしまうからだ。

「……」

俺が何も言わないで、黙っていたら、旭の隣にいたベニが口を開いた。

「旭くん、翔太くんが言いたかったことは、旭くんのために私の気持ち聞いてくれたんだよ。旭くんに言われてって言ってたけど」

旭は、俺を見た。

それは、目を丸くして本当なのかという驚いた表情をしていた。

それは、お前の本心かと聞いているようであった。

「……そうなんだ」
旭は返事をして、俺は屋上を後にした。