いや…籍を入れていないんだから
まだ家政婦のままなんだけど
「……。」
仕方がない…書類を持って行くか
リビングを出て書類を取りにアイツの部屋に入る。
「あった…これね？」
確かにデスクの上に書類が置いてあった。
アイツが忘れるなんて…珍しいわね。
チラッとアイツの部屋を眺める。
キチンと整理整頓されて綺麗な部屋。
無闇に入るなと今でも言うけど…
こう言う時なら入ってもいいのかしらね？ 理不尽な奴。
そうするとデスクに写真立てが置いてある事に気づく。
香月が産まれてから一緒に撮った写真。
4人で、また遊園地に行った時に撮ったのよね。これ
最初に行った時と比べて私も楽しそうに笑って写っていた。
「……。」
何だか不思議な気分だわ。
最初なんてアイツが遊園地に行ってくれるなんて不思議で仕方が無かったのに。
「ふぇぇ～ん」
リビングの方から香月の泣き声が聞こえてきた。
おっと…いけないわ！！
