そして
とうとう本番の日を迎える事になってしまった。
美桜達を幼稚園に見送るとすみれと彩美も早めに自宅に来て手伝ってくれた。
「これで、よし。
後は、皆を出迎えるだけね」
「あんたん家
オートロックで入りにくいさかい。
外で出迎えた方がええんとちゃう?」
すみれの一言で気づく。
そう言えば、そうだったわね。
初めての場所やオートロックの所は、入りにくいだろうし
私達は、出迎える事にした。
ちなみにすみれと彩美は、生徒としても参加するが必要ならアシスタントとして手伝ってくれる事になっている。
マンションの外に出ると印刷した紙を持った女性や子連れの人が何人か居た。
もしかして、生徒さんかしら?
「あの…もしかして〝一条院裁縫教室〟の皆様でしょうか?」
私は、笑顔で尋ねてみる。
「あ、はい。そうですが…」
「あの私もです」
赤ちゃんを抱いた女性も言ってきた。
やっぱり
「お待ちしていました。
私が講師の一条院梨花です。どうぞ…中に」
マンションの中に入るように勧める。



