恋愛ドクター“KJ”

 KJの話は理路整然としている。が、どうも専門的で困る。
 アスカは続けざまに質問した。
 「どうこうってなに?
 それと祐二と、どんな関係があるの?」

 「瞳孔だよ。瞳孔。
 瞳のことだよ。黒目の真ん中にあって、明るさによって大きさが変わるんだ。
 知ってるでしょ」

 「なんとなくね。
 ああ、いや、そうじゃなくて。
 どうして瞳孔が話しに関係してくるかってことよ」
 やっと、聞きたいことがきちんと聞けたと、アスカは嬉しかった。

 「普段は、瞳孔って、周囲の明るさによって自動的に大きさが変わるんだ。自動的に変わる。
 だから、お医者さんは、人が生きているか死んでいるかの判断の一つに、瞳孔の変化を観るんだ。
 ドラマでも、お医者さんが、ペンライトを人の目に向けたり外したりってシーンを見ることがあるよね」

 「ああ、あれね」

 「瞳孔の大きさは人の意思ではコントロールできないんだ。全自動になってる。
 だから、逆に、小さくなるはずの明るさがありながら瞳孔が大きいってことは、被写体に興味を持っているっていう証拠になるんだ」

 「そんなことが‥‥」

 「祐二の瞳孔は明らかに大きかった。それは近くで確認できたから間違いないんだ。
 だから、普通にコクれば、みどりは上手くいくよ」

 そこまで話すと、KJはコーヒーを口にした。
 乾いたのどを潤すように。