アスカの強引な言葉に、一也とみどりが笑いだした。

 「しっかし、すごい話だよ。
 『何でもいいから、上手くいく方法を考えろ』ってのは‥‥」
 一也だった。そして ――― 、
 「そういうのって、気持ちの問題だろ。
 っていうか、何かの作戦で、人を好きになったりするのかなぁ」
 と、少し呆れた様子で続けた。

 「一也には何も期待してないから。
 KJ、あなたなら何とかできるでしょ。期待しているんだから」
 いつものようにアスカが仕切る。

 「う~ん。そうだなあ。とりあえず、その祐二のことを知りたいね。
 観察できる状況をセッティングできればいいんだけど」
 不自然でなく、それでいて祐二をしっかりと知ることのできる場所が欲しいのだと、KJは言う。

 「それなら、明日、祐二のクラスに行って本人に会ってみればいいんじゃないの。
 それか部活を見学するとか」
 アスカの提案だった。

 「ああ、そうじゃないんだ。
 “観察”っていうのは、それに適した場所というか条件が必要なんだ。
 何とか、自然な形で、祐二とみどりが話をできる場所を用意できないかと思って‥‥」
 
 KJは深く考えている顔でいった。