その日、菊池アスカは、めずらしく学食を利用していた。
普段は母親の手作りのお弁当を広げているが、親戚で不幸があり母親は家を開けているため、ここ2~3日は学食のお世話になる予定だ。
ひとりでお昼を食べるアスカの目の前で、KJと一也が騒いでいた。
その場にそぐわない大きな声を発しながら、ジャンケンに夢中になっている。
「これだから男子って‥‥。それも、二人ともウチのクラスの‥‥」
呆れ顔のアスカだが、周りのことは気にも留めない一也は、誰かに叩きつける勢いで叫んだ。
「ちくしょー。これで10連敗だよ。なんで勝てねーんだよ!」
それは独り言というには元気が良すぎた。
しかも一也のグチは止まらない。
「フツーさ、10回もジャンケンすれば5回は勝つだろ。なんで1回も勝てねーんだよ。きょうも俺のおごりかよ‥‥」
どうやら、その大騒ぎのジャンケンは、KJと一也にとっては何度も試している遊びらしい。
そして、負けた一也が、KJにカレーライスをおごるハメになった‥‥ことはアスカにも分った。
ただ、コトのなり行きは理解できたが、同時に、一也の言葉には引っかかりを感じた。
「10連敗? ジャンケンで10連敗? それってどういうこと??」
意味が分らなかった。
普段は母親の手作りのお弁当を広げているが、親戚で不幸があり母親は家を開けているため、ここ2~3日は学食のお世話になる予定だ。
ひとりでお昼を食べるアスカの目の前で、KJと一也が騒いでいた。
その場にそぐわない大きな声を発しながら、ジャンケンに夢中になっている。
「これだから男子って‥‥。それも、二人ともウチのクラスの‥‥」
呆れ顔のアスカだが、周りのことは気にも留めない一也は、誰かに叩きつける勢いで叫んだ。
「ちくしょー。これで10連敗だよ。なんで勝てねーんだよ!」
それは独り言というには元気が良すぎた。
しかも一也のグチは止まらない。
「フツーさ、10回もジャンケンすれば5回は勝つだろ。なんで1回も勝てねーんだよ。きょうも俺のおごりかよ‥‥」
どうやら、その大騒ぎのジャンケンは、KJと一也にとっては何度も試している遊びらしい。
そして、負けた一也が、KJにカレーライスをおごるハメになった‥‥ことはアスカにも分った。
ただ、コトのなり行きは理解できたが、同時に、一也の言葉には引っかかりを感じた。
「10連敗? ジャンケンで10連敗? それってどういうこと??」
意味が分らなかった。
