「よくあいつあの事件があったのにのんきに学校に登校出来るよな」
「うわっマジかよ…俺殺人鬼と一緒に授業とかムリだぜ❗」
「私もイヤ…親友を殺されてその殺人犯がクラスメートなんて…」
(僕は……)
「殺人犯の祐太くんよぉ、君の来るところは学校じゃなくて少年院じゃないのかぁ?」
「…………」
「テメェシカトかおい!?」
「止めときなよサブちゃん。君まで殺されてしまうよ?」
「チッ…」
そして教室は異常なほど静まり返る。廊下から聞こえる他クラスの話し声。まるでこの教室だけ学校から切り離されたのかと言えるほど。
ガタン…
クラスの全員がその音の方向を向く。祐太と呼ばれた少年に皆注視していた。
「……」
祐太はそのまま立ち上がり鞄を持つと、颯爽とその場を立ち去っていった。
(ここにはもういられない)