【理沙said】

 ささら。
10年近く親友として、幼なじみとして、仲良くしてきたけど。

 彼女は何か隠してる。


 だって、ただの体が弱いだけで長期入院は無いと思う。

ささらは、体が弱いだけでわないと思う。


 
 それが分かったのが、有田が退院して2日3日経った頃。
いつも通りお見舞いに行った時の事だった。

「ささら、おはよ。」
「理沙、おはー。」
「はい、飲み物。」
「ありがとー。」

こんな感じで会話が続く。

ささらも、一応高校生の歳。
通信教育で勉強はしている。

「そうだ!勉強勉強!」
ささらは、ベッドから離れた棚に勉強道具を取りに行く。
 その時だった・・・。

 ゴホッゴホッ!!!

 「ささら!?大丈夫!?」

「・・・う・・うん。大丈夫。」
多少息切れしていたささらは、口を押えていた手を放す。
「・・・!!」
私はビックリした。
手に血が・・・。
 私は確信した。ささら・・・病気だ。


「大丈夫、大丈夫。手を洗って来るね。」
ささらは笑いながら部屋を出ようとする。

「ささら!」
ささらは止まった。
「ささら・・・いい加減教えて、私に内緒にしてること。有田にだって内緒なんでしょ?私はなんとなく気づいてるけど・・・ささら、もう少しで・・・」

 もう少しで・・・、もう少しで病状が悪化してしまう。
そう言おうと思ったけど言えなかった。
小学生の時よりも、中学生の時よりも退院や外に出る許可の回数が確実に少ない。
 もし、私の推測通り病気なら、悪化してるはず。
それを本人の口から聞きたかった。

「ゴメン。手を洗って来てからね。」



その後、私は彼女のすべてを教えてもらった。