【ささらsaid】



 私は悠馬君の病室を出て、電話に出た。



 「もしもし?」

『ささら?調子大丈夫?』


 親友の渡部理沙からだ。


「大丈夫だよ~!」

『どうしたの?なんか声が明るいよ?』

「え~!?バレた?」

『バカにしないで。私だって毎日会ってるんだから、違い位わかるよ。』

「実はね。・・・病院内で友達できたの!」

『へっ!?そうなの?』

「カッコイイ男の子!」

『男の子って・・・チビ?』



 理沙は、男の子=年下の男。男子=同学年位の男。男=男気のある大人の男性。
と、判別する。


 長年付き合ってきたけど・・・そんなところは、ややこしい。


「いや・・・同学年位かな?」

『じゃあ、私知ってるかもね~?名前なんて言うの?』

「有田悠馬君!」

『はっ?有田?』

「知ってるの?」

『知ってるも何も、クラスメイトよ。』

「え~?」

『まぁ、詳しくは後で聞くから、病室で待ってて。』

「うん・・・。」