センターマイクの君へ(仮)


 突然の海パン登場にルイもブハっと吹き出し笑いった。その姿を見てとりは安心するとルイの腕を引っ張り立たせた。

「俺着替えるからー、隠してて」
「え?ここで着るの?」
「着るよー!ほらー、後ろ向いて…」

 クルっとルイの体を反転させるとトリはスーツを脱ぎ着替えを始めた。バサ、バサと服が地面に落ちる音を聞くとルイは顔が真っ赤になった。

「振り向くなよー!見たいなら別だけど~」

 クスクス笑って冗談をいうトリに対し、ルイは手で顔を覆った。

「冗談言わないで!もー、準備万端とか言うならどっかで着てきてよ…バカ!」
「ハハハ!ごめんごめん~」

 日差しの暑さと、恥ずかしく沸騰してしまう自身の熱さからルイは少しフラっと足を絡ませた。
 ちょうど着替え終わったトリは、倒れそうなルイを後ろから支えると心配した表情でルイの顔を覗いた。

「大丈夫か?熱射病?熱中症?」
「…わ!だ、大丈夫!」

 ルイは慌てて支えから離れ、自分自身で立った。胸が変にドキドキしてしまう…

「そうか…よし、海ー!」

 子供のようにトリは海へ向かって走り出した。さっきまではスーツ姿だったのに、服を脱いだトリの体はバイトやジムで鍛えたという筋肉質な体をしていた。

「ルイちゃん!早くー!」