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「暑いし、暇だし…」


　ザブーンと音を立てる海を前に、ルイは不機嫌だった。
　周りは仲良く家族ずれや友達同士…カップル…。一人で海にくる人なんか自分くらいだ…

　海に入る気にもなれない、それでも別荘にいると兄の仕事の邪魔になるかもしれないと海にきたのだ。


「ひとりで入っちゃおうかな…」

　気を紛らわさないとやっていられない、それに暑い…

　ビキニ姿を隠すように羽織っていたパーカーを脱ぎパラソルの下に置くとルイはゆっくりと海へ足を進めた。

　押し寄せる波に、綺麗な砂…。足あとをポンとつけるが、すぐに波にさらわれてしまう。


「トリが来るから来たのに…」