センターマイクの君へ(仮)


「食器を割っちゃうとか…普段なら滅多にしないよ…」
「洗いなれてるもんね」
「そう…でも割っちゃうってことは、動揺してるってこと」
「動揺?」

 ルイは首を傾げる。

動揺って、何に動揺してんの?

「あんまり見られると俺だって照れるよ」

 少し可愛い顔をしてそんなことをいう鳥井。ルイはそんな鳥井を見てブっと笑った。

「なんで笑う?」
「だって…はは、照れてんの?見られてるだけで?アハハ!」
「食器洗ってる姿なんて普段見られ慣れてないんだって…」
「アハハ!トリってなんか可愛いね」
「男に可愛いは言っちゃダメなんだぞー!」

 何でもない会話も、ルイには楽しかった。鳥井は冗談も言うし、顔もコロコロ変えていくからか笑いが耐えることがない。


「…兄ちゃんとしては、複雑だな」

 風呂から上がってきた兄は、二人の笑いあう姿を微妙な表情をして見つめている