センターマイクの君へ(仮)



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 食事が終わり、食器を洗う鳥井の前にルイはその姿をジーっと見つめていた。兄は、今お風呂に入っている。男なのに、長いときは一時間くらいお風呂に入っている。リラックスできる場所らしい。


「…どうした?」
「え?」

 ジーっと見るルイに、鳥井はクスリと笑い声をかけた。

「そんなに食器洗ってる姿みておもしろいか?」
「別に、そんなこと…」
「あんまり見られるとお皿落っことして割っちゃうよ~」

 ククっと笑い続ける鳥井は、洗剤がついた食器を慣れた手つきで水で洗っていく。

「割ってもお皿まだあるからいいよ」

 ダンボール日一箱分のお皿がある。母親がなにかに使うために買ったらしい…一回だけ使ってそれ以来しまわれたままだ。だからお皿を割ったって別に困ることはないし、かまわない。
 ルイは単純にそ考え鳥井に言うと、鳥井は困った表情を浮かべ苦笑した。

「そう言う意味じゃないんだけどな…」