センターマイクの君へ(仮)


 ルイは意地っ張りな所がある。
 今も笑われ顔が真っ赤になってしまうが、そんなことないと強気になり言葉が乱暴になってしまう。

「それで、さっきのだけど俺が言いたかったのはさ」
「何?」
「…その、洗濯物をさ俺が干したりなおしたりするコトになるんだけどさ」

 家事全般を鳥井が受け持つことになっているらしい。ルイにしてみれば、今まで面倒だったことがなくなるのだから嬉しいことだ。

「ルイちゃんは女の子だし、俺が洗濯物干していいのかなって…。あ、いや…別にそんなに深い意味はないよ!別に俺は気にしないし…昔は兄弟のとか干してたから!」

 あまりにも遠まわしに言う鳥井。ルイは何を言いたいのか全然分からず首を傾げた。

「あーっと…、俺は男だしさ!いくらこれから仲良くなるつってもやっぱそこは始めからちゃんと決めておかないといけないじゃん!
 ハルも洗濯物を干さないのは、ルイちゃんがそういうの気にするかもしれないしって言ってたから…、ハルからもそこだけはルイちゃんと相談しておけって言われてるんだ」

「…で、何を?」
「え?…だから、下着のことなんだけど…」

 そう言われやっと気づくルイ。
 カァーっと顔が赤くなるのが自分でもわかる。それと同時に、どうして今まで兄は洗濯物だけは手伝ってくれなかったのかも分かった。

 なんとなくお互いに恥ずかしい空気が流れてくる。ルイは今の質問に返事をしなくてはと考えてみた。