君によく見られようとしていつも君より一歩前にいなきゃダメな気がして無理をしていた。
「あ、休憩時間終わっちゃう!
ほら、あなたも早く食べなきゃ冷めちゃうよ?
会えてよかったわ。幸せになってね」
彼女は早口でそう伝えると
奥にごめんなさいと謝るジェスチャーをしながら戻っていった。
結婚…か。
結局僕は最後まで何も告げることが出来ずに終わってしまった。
でもあの時のような後悔はない
幸せになってほしい
君がそう言うなら僕は幸せになりたい
そして、そう願ってくれる君も幸せになってほしい。
僕じゃない誰かと。
僕は君じゃない誰かを君の時と同じ失敗をしないようにゆっくり歩んでいきたい、そう心から思えた。
口に入れたうな重は
彼女が前に作ってくれた弁当と同じ味がした。
優しさが沢山詰まっている味だ。

