「お、そーだそーだ
晴、お前部活どうするか決まってんの?」

「美術部」

「ははは、お前絵なんか棒人間しかかけねーだろ
じゃなくて、真面目になにやんの?」

「ん~今んとこ、どこがいいとかないなぁ
悠人は?」

「俺?
そうだな…サッカーか…
弓道かな」

「弓道!?
また突然どうした」

「かっこよくない?
袴とか弓とか!!」

「あー、確かに」

「なんだよ!そのつれない感じの同意!
萎えるわぁ~」

『あ、いたいた!!
悠人君!!先生呼んでる!!』

「お?あいよ!!
ちょっち行ってくる」

「説教か?」

「え!?いや…なんかしたかな俺」

「あははは、じゃあ後でな」

「おう!」


そう言って走って行く悠人の背中を見ながら、ふと思った。


弓道か…見学してみるか


これが始まりだったのかもしれない。
その時の自分には友達が言ったから程度の感覚しかなかった。