王子様、拾いました。




ふと思い出したように、藍ちゃんが私の方を向く。

「オムライス、絶賛してくれてたって蒼くんが言ってたけど、本当?」

「う、うんっ! すっごく美味しかった。私が今まで食べた中で一番!」

私の答えに頬を染める藍ちゃんは、本当に可愛い。

「じゃあ、今日のお礼にまたオムライス作ってくるね」

「本当!? 嬉しい~っ!」

その流れで、私は藍ちゃんと連絡先を交換する。

長谷部くんはそんなふたりを温かい目で見守っているだけ。




……このチャンスを逃したくない。

絶対、逃しちゃいけない。

私は深く深呼吸をして、長谷部くんを見つめた。

「ね、長谷部くんも連絡先交換しない?」

「……そういえばしてなかったね。うん、いいよ」

そうして私は、念願の長谷部くんの連絡先をゲットすることが出来たのだった。