その日は委員会で彩芽とは一緒にいなかった。


帰ろうとした時、教室に忘れ物をしたことに気づいた。



はぁ。めんどくさいなぁ。

明日でもいいかな?いや、でも宿題だしなぁ。

よりにもよって数学だし。取りに行くか。



階段を上がると誰かの声が聞こえてきた。


それは私のクラスからだった。


耳をすますと…


「いい加減にしろよ。」


「きもいんだよ。」


「やめてっ。」


聞き覚えのある声だった。


「あれ?成羽?」


後ろに泰斗先輩が通ったところだった。


しょうじき、気まづい。

『あ。ちょっと忘れ物しちゃって。』


「やめてっ!」


教室の方から聞こえた。


この声は