『外の世界は綺麗ですね。 』
興味津々にあちらこちらを見る。
──碧はそれを見て昔の自分と照らし合わせた。
私も昔、外の風景にとても興味を持っていて良くキョロキョロと辺りを見回していた。
危うく車に轢かれそうになったり、川に落ちそうになった時もあった。
『……私の住む世界とは別世界……』
何やら独り言を話始めた。
『はぁ……この世界に生まれてきていたら……』
ふわりと風が吹く。
足元の花が小さく揺れた。
────数分後
『碧様…此処ですか……』
『そうよ、貴方の家と言う名の警察署。』
先程、碧の言っていた事とは裏腹に、警察署がある真逆の道を歩いて来たのだ。
『さぁ、見えないとか何とか知らないけど、警察にお世話になって来なさいな。』
そう言われ、白蛇は背中を押され警察署へと入って行った。
『すいません、この人コスプレストーカー野郎なのですが預かって貰えません?』
近くにいる警察官に言うと、警察官は首を傾げた。
『……何方ですか?』
『だから、この人です。』
グイッと目の前に白蛇を差し出しているのにも関わらず、警察官は困った表情をした。
『貴女……お一人ですか?』
『あの、さっきから何を言っているんですか?此処にいるでしょう…… 』
すると、前にいる白蛇は碧の方を向いた。
『……だから、言ったでしょう?
──限られた人間にしか見えないって。』
何なのでしょう。
このドヤ顔から生まれる
この変な怒りは。
