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真白と出会ったのは去年の夏
俺はまだ中学三年生だった。
ある日、学校からの帰りに突然の夕立にあい、傘を持っていなかった俺は慌てて近くの建物の軒下に滑り込み、雨宿りさせてもらった。
今思えば、少し走れば家なんかすぐついただろう。
どうせすでにずぶ濡れだったのだから、雨宿りしたところで意味などなかった。
まぁ、それはさておき
濡れた服の裾を軽く絞っていると雨音の中に一つの足音を聞いた。
しかしそれは普通の靴音ではなく、ぺちゃぺちゃというような裸足で歩く音
不思議に思って顔を上げるとこいつ、真白が裸足で雨の中に立っていたんだ。
彼は足を止めジッと俺を見つめたまま動かなかった。
怖いくらいの無表情だったが、なぜか目が離せなかった。
なぜ、こんなところに子供が一人で?
