「はぁ……やっぱりお前にはわからないか。いや、変なこと聞いてごめんな」
俺は右手を上げてその透き通るように白くて少しウェーブのかかった髪を撫でる。
男の子はさらに首を傾げたが、俺の手を嫌がることはなく素直に受け入れてくれた。
彼のことを俺は“真白”と呼んでいる。
その呼び名通り、真白は驚くくらい肌が白くて、髪も白い。
着ている服も白いシャツでとにかく白づくめだからそう呼ぶようにした。
先に説明しておくと真白は人ではない。そもそも普通だったらこんな子供が高校の屋上にいるわけがないだろう?
だったら何かと聞かれたら返答に困るな……。
幽霊……なのかはよくわからない。
妖怪……と言われても頷けない。
彼に触れた手から微かに冷気を感じ、そっと手を自分の方に戻した。
