それは、いつもと変わらない小鳥の鳴き声が聞こえた朝、ベッドから起き上がり着替えて庭へと足を進めるとふらついた足取りでお母様の元へと走った時、呼吸が荒くなった。

「お母様…」
視界が揺らいだ。
「エミリー?」
「お母…」

そこから意識がなかった。
不思議な夢を見た、お父様が亡くなる夢。
「……ん」

「エミリー」
「エミリー良かった…」
お母様は私を強くだきしめた。
「お母…様?」
「エミリー…」
「私…」
「王女様よく聞いてください」

そこには、執事のルークがたっていた。
「ルーク…」
悲しい顔をしていた。
「王女様の体は激しい運動はもうできないんです。
貧血病なんです、呼吸が混乱したり立ちくらみしたりしませんでしたか?」
「うん…」
「そういった症状は喘息と貧血病なんです」
「治るの?」
「誰かと接していればいずれ治ります」
「だから頑張りましょ?」
「うん」
部屋で一人になると。

もう…走り回る事は出来ないんだ…

どうして……走りたい……