キスから始まる恋

「俺の部屋、分かるよな?先行っといて」


「んぅ、わがっ……だ……」


家にお邪魔するなり、そう言われた。

重い足取りで、悠人の部屋に入った。

そして、壁際に置いてある机と、窓側に置いてあるベッドの間に隙間を見つけた。

そこに入ると、私の体はすっぽり収まった。

悠人が来るまでに泣き止もう。

持ってきたティッシュで鼻をかみまくり、私が座っているのとは逆の、机横に設置してあるゴミ箱に投げ入れる。