キスから始まる恋

一礼をして、いかにもお腹が痛いそうな足取りで、ゆっくりと歩き始めた。

ジャリ……ジャリ……。

2歩進んだところで、私は1度止まった。

そして、ゆっくりと振り返ってこう言った。


「私、たった今まで、宮瀬先輩のことが好きでした」


すると、宮瀬先輩は、一瞬間を置いて、ふっと笑って眉をひそめ、感情移のない一定の声でこう言った。