キスから始まる恋

くるりとベンチに向かおうとした。

しかし、足が動かない。


「何を言うてんの?
行きたいなら行けばええん。
俺こういうアトラクションはアカン人から待っとくわ」


私が否定する間もなく、さっさと私を追い抜かしてベンチに行ってしまった。


「あの、先輩……その、乗る前にお手洗いに行ってきてもいいですか?」


「あぁ。
ここを真っ直ぐ行ったところにあるけど、由紀1人じゃ怖いなぁ~」