体が弱かった.......

生まれつきだった。

誰のせいでもなかった。

17歳。 冬。 

本来ならば高校2年。

恋人や友人とこの雪の降るX'masを
心から楽しめただろうに。

岡崎 実 (みのり)の入院生活はもぅ2年になる。

幼少期の入退院を含むならもっとだ。

10歳ぐらいから病状は回復に向い通院程度で
中学校へ進学するも3年になった春先に体調を崩し入院。


彼女は楽しかった2年前を思い出していた。

「はぁー....... 」

病室には実のため息しか聞こえないほど
静かだった。

ーーーはず。

急に慌ただしくなる病室が気になり顔を覗かせて見ようとしてやめた。

「あっ実ちゃん。今日からお隣りさんになる 入野江 心くんです。仲良くしてあげてね?」

この病院の規定より10cmは短くされてるであろう
スカートからスラッとのびる健康的な足を見せつけてくるこの看護師を好きにはなれないでいた。

(X'masに入院なんて可哀想に.......っ )

人のことを可哀想だと同情できる自分に驚いていた。

隣りの病人なんかに興味もわかず実は窓から見える
白い景色に見とれていた。

(お母さんがお見舞いにきてるんだ。)

隣りの母親と息子に親子らしい会話を聞きながら
実は母親のことを考えていた。

父親は単身赴任。
母親は不倫相手と楽しくX'masを過ごしているのだろうか。
もぅ半年は来てないな。  と。