今日、私はこの世を去った。

思い返してみると、なんと味気ない人生だったか。
生まれて間も無く、自分は両親を亡くしてしまったらしい。
本当に生まれて間も無い頃だったから、記憶なんて無い。

そこから、親戚中で私を盥回し。
お父さんのお姉さんの所へまず行かされた。
散々こき使われた挙句、暴力を受けて、ぽいされた。

次から次へと親戚中を巡ったが、
1年と受け入れられたことは無かった。

愛なんて無かったから。

私を育てることに愛なんて必要じゃなかったのだろう。
親戚だろうと、所詮は他人の子。
最低限の食事と部屋だけ与えておけばいい、と。
その程度の考えだったのだ。

そして、今日。

学校帰りに私は見知らぬ男に心臓を一突きされた上、
1時間以上も見つけてもらえなかった。
これで命があったなら、私は超人だ。

でも生憎、そんな生命力は持ち合わせていなかった。
刺されて数分で、意識が遠のき、そのまま眠りについた。

もう目覚めることはない、底無しの眠りに。