ふと、藤田と目が合う。


だけどそれもほんの一瞬。


すぐに目をそらされた。


友情は、儚い。


僕達の友情は表だけの、


薄っぺらくて、


ガラスのように脆かった。


こんなにも簡単に壊れるんだもん。


あ……やばい…。
涙が………。

持っていたホウキを落として、そのまま教室を出た。
逃げるように走った。


あの空間にいることに耐えられなかった。


藤田達と縁を切ったことも


先生に甘える秋野の声を聞くのも


全部胸の苦しさにしかならない。


誰もいない屋上で、思い切り泣いた。


掃除が終わるまでの、


ほんの短い時間だけ。